当院では、火曜日の午前に「遺伝性血管性浮腫」専門外来(担当:大澤勲医師)を開設し、診療を行っています。
血管性浮腫(「クインケ浮腫」ともいう)は様々な原因で起こりますが、そのなかで遺伝性血管性浮腫(HAE: Hereditary angioedema)は診断および治療が可能な病気です。HAEの患者さんでは、遺伝子の異常が原因で血液の中にあるC1-エラスターゼインヒビター(C1-インヒビターともいう)の機能が低下しています。10歳から20歳代に発症することが多く、2-3日で消退する腫れ(むくみ)を発作的に繰り返します。皮膚(手足、顔面、生殖器など)の腫れは、一見すると「じんま疹」のようですが、強いかゆみを伴わないのが特徴です。特にのどが腫れると呼吸困難に陥ることがあったり、お腹の中(腸)が腫れると強い腹痛を感じます。
心身のストレスや、打撲、長時間の圧迫などは発作の引き金になるので、できるだけ避けましょう。腫れや「むくみ」が出た場合には、C1-エラスターゼインヒビター(血漿分画製剤)を静脈内投与することで効果が得られます。
HAEは国が指定した「指定難病」の中の「原発性免疫不全症候群」に該当します。保健所に所定の申請手続きを行い認定されると医療費の助成が受けられます。
HAEの発作